重松清原作のきよしこ
あの小説がテレビドラマになる! ということで期待して見ました。
全体的に静かで、とてもほのぼのとした雰囲気が伝わってきました。
安田顕さんが、あたたかくやさしい人柄の小説家・白石清を演じていました。
吃音で、悩み苦しんだ時代を経て大人になった清の自伝的ストーリー。
子ども時代の本人の苦しみはもちろん、彼を見守る両親の気持ちも痛いほど伝わってきました。
父・白石健一(眞島秀和)と母・白石曜子(貫地谷しほり)の愛情が、いろんなシーンにあふれていました。
そして、感動したのが、どんぐりのおっちゃん役の千原せいじさんの演技。
昼間っからお酒を飲んで、ふらふらしているおっちゃん。
でも、人間味あふれてあったかい。
言葉もぶっきらぼうで、一見こわいけど、子どものこころに寄り添うことが
できる温かい人。
そんなおっちゃん役を演じきっていました。
「友だちと遊ばんのか?」
ズバリ聞く。その対応から、全てを察知して、その心に寄り添っていく。
あんな優しいおとなに子どもは見守られてほしい、そんなことを感じました。
寂しい時間をあのおっちゃんと過ごすことができた幸せ。
そんな時間を過ごした後、少しずつ友だちができ始めた清。
「今度海に連れったる」と言い残したおっちゃんの言葉。
だんだん友達との時間が増え、いつしかおっちゃんとは離れ離れに。
引っ越しをすることになり、あのおっちゃんを探しまわる清。
お別れの言葉を伝えたかったのに・・・。
あのどんぐりのおっちゃんはどこへ行ってしまったのか?
ドラマが終わったあとも、そんなことを感じさせてくれるおっちゃんの千原せいじさんでした。
このドラマの演技がきっかけで千原せいじさんが、役者になる日がくるのか
こないのかは、これからのお楽しみってところでしょうか?